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国民健康保険料の計算方法
国民健康保険料の計算方法は市区町村によって異なります。ここでは平成30年度の福岡市の国民健康保険料の計算を例に説明します。
算定基礎となる所得金額を調べる
国民健康保険料の計算では、算定基礎となる所得を把握する必要があります。
算定基礎となる所得とは、前年(1月1日~12月31日)の総所得金額等から基礎控除額33万円を除いた金額です。
総所得金額等とは、社会保険料控除などの各種所得控除前の金額です。
給与所得者・・・給与収入-給与所得控除
年金所得者・・・年金収入-公的年金等控除
事業所得者・・・事業収入-必要経費
などです。複数所得がある場合は合算します。
給与所得者の所得金額は、こちらの簡易フォームで確認できます。
年金所得者の所得金額は、こちらの簡易フォームで確認できます。
算定基礎となる所得を計算する
所得金額がわかったら、所得金額から基礎控除額33万円を差し引きます。
所得金額-33万円=算定基礎となる所得になります。
平成30年度国民健康保険料の保険料率
算定基礎 | ①医療分 | ②支援分 | ③介護分 | |
国保加入者の医療費のため | 後期高齢者医療制度のため | 介護保険事業のため | ||
(ア)所得割 | 算定基礎となる所得 | ×7.80% | ×2.97% | ×2.78% |
(イ)均等割 | 1人につき | 21,353円 | 7,870円 | 8,878円 |
(ウ)世帯割 | 1世帯につき | 21,710円 | 8,002円 | 6,877円 |
賦課限度額 | 1世帯につき | 58万円 | 19万円 | 16万円 |
※介護分・・・40歳~64歳まで
国民健康保険料の具体的な計算例
ここでは、次のモデルケースで国民健康保険料を計算します。
給与年収 | 所得金額 | 算定基礎 | |
夫 40歳 | 3,000,000円 | 1,920,000円 | 1,590,000円 |
妻 39歳 | 1,500,000円 | 850,000円 | 520,000円 |
子 10歳 | 0円 | ||
合計 | 2,110,000円 |
1 所得割を計算する
世帯の所得割は、加入者(介護分については40歳から64歳までの加入者)ごとに計算した所得割の合計額となります。
①医療分と②支援分はすべての加入者が負担しますが、③介護分は介護保険第2号被保険者である40歳から64歳までの加入者のみが負担します。
例えば、例題は世帯の算定基礎の合計額は2,110,000円ですが、この金額で計算してしまうと介護分の金額を間違えてしまいます。夫は40歳なので介護分の対象になりますが、妻は39歳のため介護分の対象にはなりません。
夫 | 計算方法 | 所得割 |
①医療分 | 1,590,000円×7.80% | 124,020円 |
②支援分 | 1,590,000円×2.97% | 47,223円 |
③介護分 | 1,590,000円×2.78% | 44,202円 |
妻 | 所得割 | |
①医療分 | 520,000円×7.80% | 40,560円 |
②支援分 | 520,000円×2.97% | 15,444円 |
③介護分 |
①、②、③を合計したものが1年分の国民健康保険料となります。ただし、①、②、③それぞれの保険料が賦課限度額を超える場合は、賦課限度額が保険料となります。
2 均等割を計算する
均等割は、1世帯あたりの均等割と、1人あたりの均等割があります。
介護分の対象者がいなければ、介護分の均等割もかかりません。
均等割 | 世帯割 | 計算式 | 均等割+世帯割 | |
医療分 | 加入者×21,353円 | 21,710円 | 2人×21,353円+21,710円 | 64,416円 |
支援分 | 加入者×7,870円 | 8,002円 | 2人×7,870円+8,002円 | 23,742円 |
介護分 | 加入者×8,878円 | 6,877円 | 1人×8,878円+6,877円 | 15,755円 |
合計 | 103,913円 |
3 所得割+均等割
所得割と均等割を合算すれば、国民健康保険料の年額が算定できます。
所得割の合計は、271,449円
均等割の合計は、103,913円
国民健康保険料は、375,362円
均等割と世帯割の軽減制度
均等割と世帯割には軽減制度があります。
保険料算定の基礎となる前年中の所得総額(国保加入者全員分)が、国の定める基準額以下の世帯は、均等割保険料と世帯割保険料がそれぞれの区分により軽減されます。
福岡市の場合
減額割合 | (基準額)前年中の所得の合計が下記の金額以下 |
7割 | 33万円 |
5割 | 33万円 + 27万5千円 × 被保険者数 |
2割 | 33万円 + 50万円 × 被保険者数 |
非自発的失業者の保険料軽減
倒産・解雇・雇い止めなどにより離職された人の保険料を届出により軽減します。
対象者
雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」として失業等給付を受ける人
雇用保険受給資格者証の離職理由コードが 11、12、21、22、31、32(特定受給資格者) 23、33、34(特定理由離職者) に該当する人
※離職日時点で65歳以上の人は対象となりません。
軽減額
軽減対象者の前年の給与所得を、100分の30とみなして保険料の算定を行います。
軽減期間
離職日の翌日の属する月から翌年度末まで。
届出に必要なもの
雇用保険受給資格者証
(※雇用保険受給資格者証を紛失している場合は、ハローワークで再交付の申請ができます。)
福岡市の国民健康保険料の計算フォーム
この計算フォームでは、おおよその年間保険料の計算ができます。
年齢区分は、「加入しない」、又は加入される方の年齢区分「39歳以下」、「40歳~64歳」、「65歳~74歳」を選択してください。
給与等収入金額は、世帯主及び加入される方の給与所得の源泉徴収票の支払金額を入力してください。
公的年金等の収入金額は、世帯主及び加入される方の公的年金等の源泉徴収票の支払金額を入力してください。
その他の所得は、世帯主及び加入される方の営業、農業、その他の事業、不動産等の収入金額から必要経費を除いた所得金額を合計して入力してください。
非自発的失業者は、前年中の所得が給与所得のみの方でかつ離職理由が倒産、解雇、雇い止めなどによる方は□にチェックを入れてください。